中庭のある家ではどのようなことを実現できるかご存知でしょうか。
例えば、バーベキューをしたり、ペットとの時間を楽しんだり、一人で優雅に読書をする時間を楽しんだりと、様々な楽しみ方ができるのが中庭のある家の大きな魅力です。
ただ、それらの魅力だけに気を取られて、中庭を設置してしまうと、中庭のデメリットと後々気づくことになり、後悔してしまうかもしれません。
そのため、中庭を設置する前に、中庭の持つ魅力だけでなく、デメリットも把握しておくことが大切です。
そこで、今回は中庭のある家のデメリットや解消法について解説します。
■ そもそもどのような中庭があるのか
中庭のある家のデメリットについて説明する前に、そもそもどのような中庭があるのかについて、最初にご紹介します。
中庭にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると以下の通りです。
*コの字型
コの字型の中庭とは、住宅の形を「コの字型」にして、空いたスペースに設置した中庭のことを指します。
コの字型の中庭の特徴は、閉塞感を緩和できることです。
コの字型の中庭は三方から住宅に囲まれている形を有していますが、一辺はオープンになっているため、そこまで強い閉塞感はありません。
*ロの字型
ロの字型の中庭とは、住宅を「ロの字型」にして空いたスペースを活用した中庭のことを指します。
ロの字型の中庭は、コの字型の中庭とは違って、完全に住宅に囲まれた形を有しています。
そのため、周囲からの視線が全く気にならないといった特徴があります。
ただ、住宅の中心部分を中庭にするという仕組み上、広い敷地が必要になるという側面もありますので、事前に把握しておきましょう。
*町家形、L字型
町家型の中庭とは、細長い住宅に点在しているような形を有している中庭のことを指します。
L字型の中庭とは、住宅がL字型になっており、残りの敷地部分に設置している中庭のことを指します。
L字型の中庭は、コの字型やロの字型の中庭などよりも、非常に開放的であることが特徴的です。
そのため、中庭における開放感を求めている方はL字型の中庭を設置してみることを検討してみてはいかがでしょうか。
■ 中庭を設置することのメリットとは?
* 家全体が明るくなる
住宅に中庭を設置すると、屋内に取り込める光の量が増えるといったメリットがあります。
中庭の近くに窓を設置することで、家の北側でも中庭側の窓から効率的に光を取り入れられるでしょう。
* アウトドアリビングを設置できる
住宅に中庭を設置し、その中庭とリビングをつなげることでアウトドアリビングを実現できます。
中庭を設置する場所を考慮するだけで、アウトドアリビングの恩恵も受けられるのは大きなメリットでしょう。
例えば、少し日光を浴びながら読書をしたい際にはアウトドアリビングでくつろぎながら読書をすることもできます。
アウトドアリビングを設置して、優雅なひと時を過ごしてみるのも良いかもしれません。
* バーベキューを楽しめる
中庭を設置することで、中庭でバーベキューを楽しめます。
バーベキューは、意外とできる場所が限られていますが、中庭を設置すると家でバーベキューをできるといったメリットがあります。
そのため、ご家族や友人の方との時間を中庭でバーベキューをしながら過ごせるでしょう。
■ 中庭を設置することのデメリットとは?
では、本題に移りまして、中庭を設置することのデメリットについてご紹介します。
魅力が非常に多い中庭ですが、デメリットもありますので、この機会に事前にデメリットを把握しておきましょう。
* 居住スペースが狭くなる
中庭を設置しようとすると、当然ながら、中庭を設置するための面積が必要になります。
例えば、ロの字型の中庭を設置する場合は、特に広い面積が必要です。
当然ながら、中庭の面積を小さくするといった対処法もありますが、あまりにも中庭の面積が小さいと使い勝手が悪くなることもあるため、バランスを考えることが大切です。
*断熱性が低下する可能性がある
中庭を設置すると、外と接する面積や開口部の面積が広くなるため、その分断熱性が低下しやすくなります。
また、断熱性が低くなると、結露が発生する箇所が増える可能性も高まるため、他に断熱対策をすることが必要です。
例えば、窓を二重サッシにすることや断熱材を導入することなどが対策として挙げられます。
*通常の住宅よりも費用がかかる
中庭を設置しようとすると、通常の住宅よりも構造が複雑になりやすいです。
住宅の構造が複雑になればなるほど、その分、費用が高くなってしまいます。
中庭を設置することで、通常の住宅よりも高い費用がかかってしまうことがありますので、事前に把握しておきましょう。
*熱や湿気が溜まりやすい
ロの字型の中庭は住宅に囲まれているため、熱や湿気が溜まりやすいといった特徴があります。
熱や湿気をそのまま放置していると、室内がじめじめしてしまったり、結露の発生につながったりします。
そのため、室内における快適な暮らしを実現するためには、中庭のメンテナンスを定期的にすることが必要です。
■ 中庭のある家の失敗例について
ここでは、中庭のある家のデメリットをより解像度高く認識していただくために、実際にあった中庭のある家の失敗例についてご紹介します。
*「そもそも中庭を設置できなかった」事例
中庭を設置するためには、中庭を設置できるだけの面積が必要になります。
そのため、事前に中庭を設置する予定を立てておかずに、土地探しを始めてしまうと、土地にあった条件で中庭を設置できないといった事態に発展してしまうことがあります。
中庭の設置を検討している方は、中庭を設置できるだけの広さがある土地を探すところから始めることがおすすめです。
*「湿気に悩まされた」事例
中庭を設置するということは、外部空間を家の中に取り入れるということです。
中庭には、定期的に水たまりが発生してしまうことがあり、そこから湿気が多くなることがあります。
そのような事態を避けるためには、排水設備を設けておくことや定期的にメンテナンスを施すことが大切です。
*「家事が面倒になってしまった」事例
上記でもご紹介した通り、中庭の排水設備を設置したり、庭の掃除をしたりする必要があるため、その分労力が必要になります。
そのため、「中庭を設置して終わり」ではなくて、継続的にメンテナンスをする必要があり、後悔してしまうケースがあります。
そのような事態を防ぐために、事前に中庭の整備が必要であることを把握しておきましょう。
■ 中庭を設置する際のデメリットを解消する方法について
ここまで中庭のある家のデメリットについてご紹介してきましたが、ここからはいよいよデメリットを解消するための施策をご紹介します。
*シンプルな仕上げにする
中庭を設置しようとすると、住宅の構造が複雑になってしまうことがあり、その分費用が高くなってしまいます。
そのデメリットを解消するためには、シンプルな仕上げにすることが効果的です。
例えば、特に強いこだわりを持っていないところに関してはシンプルな仕上げにして、強いこだわりを持っているところだけにお金をかけるようにすることがおすすめです。
凝ったデザインのタイルを使用するとどうしても高額になってしまいますが、シンプルなコンクリートを使用することで施工費用をぐっと抑えられるでしょう。
*メンテナンスを考慮する
中庭は設置して終わりではなくて、継続的かつ定期的に中庭をメンテナンスすることが必要です。
そのため、中庭のメンテナンスがしやすいような仕様にしておくことがおすすめです。
例えば、水栓を設置するだけで水で一気に洗い流せるようになります。
上記のように、日々のメンテナンスにおける負担が少しでも減るような仕様にしておくことがデメリットの解消につながります。
*動線をシミュレーションする
中庭を設置すると、家事負担が増えてしまうといったデメリットがありますが、家事負担を軽減するためには「動線をシミュレーションすること」が大切です。
例えば、水回りを近くにまとめておくだけで洗濯の効率が非常に上がります。
同様に、家事の効率を上げるためには動線をシミュレーションすることが効果的であるため、中庭を設置する際はできるだけ動線をシミュレーションすることをおすすめします。
■ 中庭を設置する際の注意点について
中庭を設置する際は、以下の注意点を把握しておきましょう。
・中庭の位置や窓のサイズ
中庭を設置すると、明るい光を効率的に室内に採り入れられます。
そのメリットを最大限まで活かすために、中庭の位置と窓のサイズにはこだわりを持ちましょう。
窓のサイズは大きければ大きいほど良いわけではないため注意が必要です。
それは、窓が大きいと、その分耐震性や断熱性の低下につながることもあるからです。
・中庭の排水面や排雪面
中庭には水が溜まってしまうことがあるため、排水面や排雪面などを考慮しておくことが大切です。
特に、ロの字型の中庭には水が溜まりやすいため、排水設備を整えておくと良いでしょう。
・動線
中庭を設置すると、その住宅の動線はどうしても長くなってしまうことがあります。
例えば、中庭の向こう側に移動しようとすると、中庭をぐるっと回る必要があります。
そのため、生活の不便を無くすためには動線についてしっかりと考慮しておくことが大切です。
■ まとめ
今回は、中庭のある家のデメリットや解消法について解説しました。
中庭のある家には、「居住スペースが狭くなること」「断熱性が低くなる可能性があること」「通常の住宅よりも費用がかかること」「熱や湿気が溜まりやすいこと」などのデメリットがあります。
そこで、それらのデメリットを解消するために、「シンプルな仕上げにすること」「メンテナンスを考慮した仕様にすること」「動線をシミュレーションすること」などが対策として効果的です。
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