家を新築する際、屋上を検討する家庭も増えているようです。日当たりのいい屋上は、洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりとさまざまな活用方法があります。一方で、屋上を設けて不都合はないのか心配な人も多いかもしれません。そこで今回は、屋上の特徴やメリット、デメリットなどについて解説。併せて、当社が手掛けた実例も紹介します。
屋上の定義は何? テラスやベランダ、バルコニーとどう違うの?
屋上とは、建物の屋根部分を平らにして人が出られるようにした場所。屋根全体が屋上になっているタイプや一部だけのタイプ、屋外階段を使ってアクセスするタイプなど、さまざまな形があります。
★屋根全体が屋上で、ペントハウスからアクセスするタイプ
屋根の前面を屋上にして室内からアクセスする場合、ペントハウスと呼ばれる小屋をつくるのが一般的。ペントハウスの広さは建築面積の8分の1まで、高さは5メートル以下という制限があります。
★屋根の一部が屋上で、ペントハウスからアクセスするタイプ
敷地の形状の関係で高さ制限がある場合や、太陽光パネルを採用する場合などは、屋根の一部を屋上にすることも可能。ペントハウスから出入りするようにつくられています。
★屋外階段を使ってアクセスするタイプ
屋外に設けた階段を使ってアクセスするタイプ。部屋を経由しないで直接アクセスできる点や、ペントハウスがない分、広く使えるといったメリットが考えられます。
★隣接する居室からアクセスするタイプ
ルーフバルコニーや屋上テラスなどとも呼ばれ、最上階の居室と隣接して設置するタイプ。居室とつながりをもたせることで、セカンドリビングやアウトドアリビングのように使えます。
テラスやベランダ、バルコニーとの違い
屋上と似た屋外スペースに、テラスやベランダ、バルコニーがありますが、設置場所や構造が異なります。
★テラス
建物の外、通常一階に設置されている、地面より一段高いスペース。屋根はありません。ちなみに、屋上に設置されたものは「屋上テラス」「スカイテラス」と呼ばれます。
★ベランダ
室内からつながった、人が行き来できる屋外スペース。一階でも二階以上でも、専用の屋根やひさしが付いていればベランダとされます。
★バルコニー
テラスやベランダ同様、室内とつながっていて、人が行き来できる屋外スペース。ルーフバルコニーは下の階の屋根部分を活用していますが、バルコニーは建物から突き出た空間です。屋根はなく、二階以上に設置されています。
屋上を設けるメリットやデメリットを紹介
屋上にはさまざまなメリットある一方で、知っておくべきいくつかのデメリットもあります。
メリット
★眺望を楽しむことができる
ロケーションによって、屋上から海や美しい街並み、夜景などの眺望を楽しむことができます。
★布団や洗濯物を干すことができる
屋上は日当たりがよく、洗濯物が乾きやすいというメリットが。一度にたくさんの洗濯物を干したいときや、寝具を干す場合に最適です。また、通行人の目が気にならないというのもうれしいポイントでしょう。
★アウトドアリビングとして活用できる
広々とした屋上では、バーベキューをするなど、家で手軽にアウトドア気分が味わえます。必要なものをすぐに取りに行けるのも魅力。プールを置いて子どもを遊ばせたり、気兼ねなく愛犬を走らせたりすることもできます。夜は星空を眺めるといった楽しみもあります。
デメリット
★費用がかさんでしまう
屋上を設ける場合は、通常の屋根よりも費用がかかります。屋上へ行くための階段やペントハウス、落下防止のための手すりやフェンスなどを設置しなければならないためです。また、屋上部分にかかる負荷を考えて、建物自体にもより高い耐久性も求められます。さらに、勾配がある屋根に比べると水はけが悪くなることから、排水設備や防水対策を備える必要もあります。
★メンテナンスが必要になる
排水溝周りをこまめに掃除しなければならないうえ、定期的に防水加工のメンテナンスが必要になります。メンテナンスをせずに放置していると、雨漏りを引き起こしたり家の劣化を早めたりする可能性も。さらに、手すりやフェンスなどが劣化すれば交換の必要もあります。メンテナンスに手間やコストかかることをあらかじめ理解しておきましょう
★落下事故に気を付ける必要がある
家族や周囲への安全のため、落下防止対策は不可欠です。家族やペットが乗り越えられない高さの壁やフェンス、手すりなどを設置しましょう。また、子どもが乗れるような荷物や椅子などを置きっぱなしにするのは危険。さらに、壁やフェンスなどの外側にプランターなどを置かない、風で飛んでいく恐れのあるものは固定するといった気配りも求められます。
屋上庭園”をつくりたい!特長や注意点を押さえておこう
住宅の屋上に植物を植えて緑を楽しむ屋上庭園。見た目の美しさはもちろん、さまざまなメリットがあります。一方でいくつかの注意点もあるため、確認しておきましょう。
特長
★建物の劣化を軽減できる
屋上を緑化することによって、紫外線や酸性雨などによる建物の劣化や、急激な温度変化による資材の収縮や膨張を軽減する効果が期待できます。その結果、建物の耐久性が増し、修理やメンテナンスの費用が抑えられると考えられます。
★電気代削減ができる
屋上に植物を植えることで、夏には室内温度の上昇を軽減し、冬には保温効果を発揮します。その結果、エアコンの稼働率が減り、電気代の削減につながります。
★土地面積が狭くても庭をつくることができる
庭に十分なスペースがない場合でも、屋上庭園を作ることでガーデニングを楽しむことができます。あえて広い土地を購入する必要はなく、新たな選択肢になるでしょう。ちなみに、屋上庭園は固定資産税の対象外。狭い土地でも庭を作りたい場合におすすめです。
注意点
★屋上の負荷に耐えられる構造にする
土や植物、プランターなどはかなりの重量になります。そのため、屋上庭園を作る場合にはそれらの負荷に耐えられる構造にする必要があり、建築コストが上昇すると考えられます。また、プランター類はできるだけ軽い素材を選び、レンガや石、土は軽量化タイプを使うよう注意しましょう。
★根が張らないよう対策を行う
屋上庭園では、露出防水層や保護モルタルの上に軽量土を敷いて植物を植えるというのが一般的ですが、植物の根が防水層やモルタルに伸びてくる可能性があるため、防根対策をしなければなりません。防根シートを取り付けるとともに、大きく育つ植物や根を張るものは避けるようにしましょう。
★プライバシーの対策をとる
屋上では、通行人や隣家の庭などからの視線を気にせずに過ごすことができるという点が魅力の一つ。ただ、高低差のある土地の場合や近くに高層マンションなどがある場合などは、屋上部分が丸見えになってしまうことも。
そのような場合は、プライバシーを守るための対策が必要です。上方向からの視線を遮るには、可動式のテントやシェードといったオーニングテントが有効です。必要なときにだけに使え、日避け対策にもなるため重宝するでしょう。また、横方向からの視線には、背の高いラティスやフェンスなどで目隠しを作るといいでしょう。
FAQ
★屋上の活用方法って、他にどのようなものがあるの?
天気がよく過ごしやすい季節には、屋上にテーブルとチェアを置いて、ワークスペースとして利用するのもおすすめです。開放感のある空間で、集中して仕事を進めることができるでしょう。また、ハンモックやお気に入りのチェアを置いて、読書をしたり、好きな音楽や映画を楽しんだりと、リラックススペースにするというアイデアも。そのほか、朝日を浴びながらストレッチやヨガをする、休日に朝食やランチを楽しむ、心地よい夜風の感じながらお酒を飲むなど、自宅にいながら非日常を感じられるというのも屋上ならでは魅力と言えそうですね。
★屋上に置くと“映える”照明を知りたい!
屋上に使う照明には、壁に取り付けるスポットライトや床置きタイプのライトなどが適しています。家族や友人たちが集まってわいわい過ごす場合は、屋上全体を照らす明るいスポットライトを。食事や読書をする場合には、手元を照らすテーブルライトも必要です。さらに足元を照らすフットライトをプラスすれば、より雰囲気のある空間を演出できます。鉢植えがある場合には、下からライトを当てることでおしゃれな印象に。ホームパーティーなどでは、お気に入りのガーランドライトを飾りましょう。屋上は風が強いため、壁や柵に固定するタイプか、倒れにくい背の低い置き型照明がおすすめです。
★屋外コンセントの設置って新築の段階から検討すべき?
アウトドアリビングとしてさまざまな活用をしたり、先述の通り照明を設置しておしゃれな印象にしたりすることが可能な屋上。その際に、室内からコンセントや延長コードを延ばして対応するのは非常に面倒です。専門的な工事が必要になるため、後付けではなく家づくりの時点から検討することが大切。1カ所程度作っておくと、屋上をより有効活用できるでしょう。
まとめ
自宅にいながら屋外の気持ちよさを感じられる屋上。洗濯物を干したり、アウトドアを楽しんだり、ガーデニングに挑戦したりと、使い方は無限大です。ただ、屋上を設置する場合は、防水対策や落下対策、メンテナンスが欠かせません。どのような使い方をしたいのか、使用目的を明確にするとともに、費用などとのバランスを考えながら実現することが大切です。希望や環境に応じたアドバイスもさせていただきますので、ぜひ気軽にご相談ください。
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